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ひもろぎ逍遥

2020年 01月 10日 ( 1 )

ウーナⅡ1 アリシア しくじりし者たちよ


異世界からのメッセージは脈絡もなく、バラバラに届けられる。

2017年4月30日。

その日、私たちは再び「脇巫女」の結願(けちがん)をするために集まった。
ところが、現れたのはこれとは違う次元の者だった

いつものように菊如と崋山が向き合って座った。
結願が始まると、崋山に何者かが憑依した。

その者は四足の獣のようだった。左手を床につけ、ヒュー、ヒューという唸り声のようなり声で威嚇し、今にも飛びかかりそうな恰好をした。その顔を見ると、好戦的な表情をしていた。

菊女は尋ねた。
「何者じゃ」
その者は薄ら笑いを浮かべて答えた。
「何をしても無駄だ」

菊如は相手を見つめながら言った。
「話を聞きたいと思ってあなたを呼びました。そのために来られたんでしょう?」
その者は笑った。
「この屋敷を取り巻くものがいるぞ。もう止められぬ。そなたらは知り過ぎた」

菊女は構わずに尋ねた。
「話を聞きたいのです」
「何を?」

「まず、名前を聞かせてください。話があるからこそ、出て来られたんでしょ」

「アリシアだ。記憶の過去に眠る事・・・、知らぬことは知らぬ方がよい。覚えておらぬことは、覚えておらぬ方がよい。目覚めようとする魂がそなたらに会うことで目覚めようとする」

「目覚めとは?」

「それぞれ、一度しくじった者たちがまた集まり、それぞれ胸に埋めた魂の記憶を持って最後の望みをかける」

「私たちに意気込みはないです。いにしえのストーリーを知ることしかできません。変えようとするような大儀はないのです」

――確かに私たちは何かをしようとするつもりはなかった。何が起きているのかを知ればよかったのだ。しかし突如現れたアリシアはその先を知っていた。

「心のままに動けばよい。記憶が発動するときに動けばよい」
アリシアの語調が変化してきた。まるでアドバイスをしているようだった。

菊如は尋ねた。
「古くからの絡みを知りたいのですが」
「知るだけか。知れば行動せねばならないぞ」

今にも飛びかかりそうだったのに、四足のアリシアは穏やかな態度になり、まるで智恵ある者のような姿になった。

菊如は言った。
「シナイ山も見たいと思って見たわけではありません。
目的は何ですか?
意味は?
あなたは知的な方だから、守、破、離が分かってある。

私たち二人の会話には意味があります。
敵と見せかけて私を試したでしょう。
私たちは知る必要はあります。人に伝えても分からないことでも。
あなたが来られた意味は?」


すると、アリシアは教えを語り始めた。
「遠い昔から、天動、地動、それぞれ同じ動きをする。天から地から同じ動きをする。
星、風、人の動き。天の神の通る道と人の通る道」

菊如は遮った。
「難しいです」

アリシアは構わずに続けた。

「人を導き、この世、この地を変える。神も人も同じ。
いにしえの人々は神と同じ道を通ることで、神に近づけると考えた。
それは神の目を持つことを意味する。
例えば、星を見て神の意向が分かるということだ。

それぞれ12人の者たちの力が再び、この世に、この地に集まる。

モーゼから始まった。
子供、弟子に同じ話を、石板に書かれたものを伝えていたが、今は伝わらない。

モーゼの石板を運んだのはヤコブ。
ヤコブは大きく恐ろしい顔をしていた。
人に恵まれず、人を助ける方にまわった。
そういう中で、モーゼの教え、石板に、どんなに苦しくとも従った。

絶望に苦しめられる人も、共に生きる術をだんだん受け入れる人が増え、集落を作り、子供たちが成人し、今でいう、13、14歳からそれぞれの地へ行った。

この地球を救うために。

なぜそう思ったか。
この地球・破壊の神シーバの脅威があるからだ。

その脅威から逃れ、この地に来たのがガードゥ。
それぞれ力や知恵のある者、神の目、耳を持つ者たちが船でこの地に来た」

「それが鞍手ですか」

「そうだ。そこで今とは形の違う地形に降り立った。この地は高い山・シナイの地。
天に聳え立つ地を拠点とし、その地からそれぞれ別れ、部族を開いた。
それがこの地の始まり。
人が住めるようなところではなかった」


菊如は尋ねた。
「あなたが伝えたいことは?」

「伝えることか。この宇宙全体が幾度となく危険に阻まれ、それでもこの形を留めている。

シーバは人の心に入りこみ、脳を麻痺させ、操る。しかし、脳は操れても、心は操れぬ。心にしっかりと向き合い、自分は何故ここにいるのか、何が出来、何が出来ないか、知恵や仲間に頼ればよい。
君が代は石板の右下に、モーゼの思いにして綴られている。

一人ひとりは強くはない。しかし、それぞれの役割の者が集まり、砕けてもまた集まり一つになる、その心があれば、どんなに砕かれようが、シーバに手を貸すアデルにとって、脅威となって働き始める。

頭脳は電気信号で操られようが、心は各々大事にしてきたものがある。電気信号ではどうにもならない。

今一度、そなたたち、この時、この場、この時代、この人たちと巡り合ったのは何故かと考えよ。さすれば、おのずと知れてくる。
皆の心ひとつで出来ることがあるはず」

アリシアは教えと謎を伝えると、去ろうとした。菊如が最後に言った。
「もう一度、お会いしたいですね」
「それは適わぬ。あの者からカケラを取り出せば見える映像がある。頼むぞ」
そう言って去っていった。



私たちは何が起きたのか、驚くばかりだった。

崋山がアリシアの姿を説明した。
「最初は魔物のフリをしていた。金色の体に羽根があった。ライオンに羽根をつけた感じ。尻尾があった。顔は羊みたいで、角がぐるっと丸かった」と。

そして、アリシアが示した「あの者」とは、私の横にいたアリサのことだった。カケラとは3センチほどのもので、過去生の映像を記録しているものだという。DVDのイメージで、左胸の下にあった。

この日、私たちが始める前に問題にしていた事の一つに、「六ケ岳はシナイ山」というメッセージがたびたび現れることを挙げていた。

その数日前も、私が星読に会った時、星読が六ケ岳の上に天まで届くような大きな雲を見たと騒いでいた。しかも同時に崋山も反対側からその雲を目撃した、という。

この幻の高い山がシナイ山だった。
そこにヤコブの子・ガードゥが12人でやって来たという。

そのメンバーは何かをしくじったらしい。
今そのメンバーが再び集まって、もう一度やり直す時が来たという。

その秘密はアリサの魂の記録にある、とアリシアは教えて去って行った。

私たちはそれを見ることにした。


<20200110>



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by lunabura | 2020-01-10 19:42 | 「ウーナⅡ」 | Comments(1)

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