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ひもろぎ逍遥

2020年 01月 12日 ( 1 )

ウーナⅡ2 アミラ エジプト脱出


アリシアの指示を受けて、菊如はアリサの左胸から魂のカケラを取り出した。

ところが、そのカケラには呪(しゅ)が掛かっていた。
菊如はまず、呪を魂から分離して、呪の方を調べることにした。

それを崋山の第三の目に入れると、崋山は蛇の姿になった。シューっと音を立てて威嚇し、菊如が声を掛けても、てんで話を聞こうとしない。異語をしゃべりまくり、手に負えなかった。

それを見て、菊如は聖フランシスコの「平和の祈り」を唱えた。

主よ、わたしを平和の器とならせてください。
  憎しみがあるところに愛を、
  争いがあるところに赦しを、
  分裂があるところに一致を、
  疑いのあるところに信仰を、
  
そう言って、暗証番号らしき数字を唱えると、急に蛇は優しい顔つきになった。この蛇はアリサの魂の守りの者だった。緑色の蛇の姿をしていた。
これもまた菊如を欺こうとしたのだった。


菊如は守りの者に声を掛けた。
「お疲れさまでした。どの位の期間、お守りいただいたのでしょうか」
すると、緑の蛇は「1200年」と答えた。

この緑の蛇はそれを伝えると、去ろうとした。菊如は引き止めた。
「一時的にお貸しいただけませんか。この後、守りが無かったら、どうしたらよいか」
緑の蛇は遮り、
「もう持っていない方が良い。戻したらかえって危険だ。そなたの持つ契約の箱に入れて出雲に持っていけばよい」

「あなたは何処に行かれますか」
「シーヴァが動いておる。私の役目は終わった」
そう言うと、行き先を告げずに去って行った。

「呪」そのものが探すための目印になる危険があったという。

こうして呪が解かれたアリサの魂のカケラに改めてアクセスすることになった。

崋山はそれを左手に乗せてリーディングを始めた。

「水色の衣装を着たきれいな人。元はこっちじゃなくて、エジプト、シナイ山辺りの人。
何かから追われるように逃げまどっている。

ひらひらの水色のカーテンのような服を着て、エジプトの砂漠を走っている。頭から毛布を被って、他の一族に追われて、みんな逃げまどっている。

夜、この地を去って海に出る。

逃げているのはガードゥの一族。男たちは大きく、猿田彦に似たゲジゲジ眉の者もいる。皮の衣を着ている。

女は四人。ツボや鏡を毛布の下に隠し持っている。四人の中に姫がいる。姫を守るために四人が同じ格好をしている。姫は豪華に飾り立てて、三連の宝玉が並ぶ首飾りをつけている」


菊如にもその姫が見えていた。
「その姫の名は?背中に傷がある?」

崋山が焦点を当てた。
「待って。船の中で髪を洗っているから、それを見る。ああ、背中にケロイド状の傷がある。焼いたような。左の肩甲骨から首の方に上がって、背骨にそって腰にまで届く傷。烙印?」

「るなさんとの接点が無い?姫の名前は?」
「ウーナ。中学生ぐらいの年齢。いやもっと前」

「その人の癖は?」
「右手で襟を合わせてつかんでしゃべる癖。嵐に遭って日本に着いた」

それを聞いて、菊如は私に同じような癖がないか、尋ねたが、私には心当たりはなかった。ただ最近、左の肩甲骨の内側がいきなり攣(つ)ることがしばしばあって不思議に思っていた。

菊如はウーナが私だと確信していた。


私が「船はどこに着いたのですか」と尋ねると、崋山は「福岡」と答えた。
私はそれを聞いて戸惑うばかりだったが、菊如たちはこれまでのいきさつから、流れを把握しているようだった。

菊如は突っ込んだ。
「今、知らなければならないことは?」

「モーゼからの石板。ヤコブの子、ガードゥの妹はガードゥと一緒に動いている。名前はウーマ。方角を見る航海士。夕方から夜にかけての空を見て船の上で見ている。月、星を見ている。

シスターの服のように、白に青いラインが入っている服を着ている。ネックレスは十字架ではなく、三連。姫とは別人。三連は服の中に隠している。夜空を見上げて、図を描いている」


「アリサは何処にいる?」

「水色の服を着て、鏡を左肩に持っている。別の人と組んで太陽の光を反射させて、光の道を作っている。

遠くから見ても、その光は分かる。合図がある。岩の入り口に立ち、呪文を唱えると黒い岩が開く。呪文を唱える人がいる。剣を持っている。

アリサはガードゥ族の一人。名はアミラ。一緒に組む人の名はカミラ」


――鏡で光を反射させる?二人一組で?

私は驚いた。その光景は別の人から聞いたばかりだったのだ。
そう、ススム。ススムが同じような話をしていた。

それは彼が相島でみた幻影だった。石だらけの百合ケ浜に積石塚があるが、そこから二隻の船を出し、それぞれに鏡を持った女性が乗って光を反射させ合うという。それは鼻栗瀬(はなぐりのせ)の前での古代の祭事だったらしい。

崋山にそれを伝えると、うなずいた。
「アミラは岩を開くところを私に見せたかった」

――そうすると、アミラとカミラが行っていた二枚の鏡の反射で作る光の道の話が相島の神事となって後世に引き継がれ、それをススムは幻視したのだろうか。


菊如も確認した。
「その島には石がいっぱいある?」

崋山はそれには答えず、映像の続きを描写した。
「岩を開いて暗い中に金色の壺がある。石の台に乗っている。光で扉を開けたり閉めたりする」

――鼻栗瀬の方は穴が開いていて、暗くはないので違う。岩の形を確認すると、次のように答えた。

「岩の入り口は残っているが、奥は壊れた。その前に金の壺は取り出された。金の壺は高さ25センチほど。赤と黒のしま模様がある。その壺からは水が沸く。航海中もこの水を使った。使っても使っても水が沸いた。

姫とガードゥの一族12人、合わせて13人。ヤコブの子供たちは追われて出発し、メンバーの中には途中で合流した者もいた。教えを広めるため。生きるため。

そして、福岡の糸島に上陸した。そこから六ケ岳を目指したが、そこには先住民は見当たらなかった。当時の六ケ岳は尖った円錐形をしていた。黒くて大きな山で、周りには尖った山はなかった。

12人は鞍手を拠点としてバラバラになって捜索をした。
ガードゥだけが六ケ岳に登って何かを埋めた。ほかの者は登山禁止だった」

「埋めたのは六角形の箱?」
「埋めたのは割れた石板の一部か、石みたいなの。12人は地元の者たちと一緒に集落を作っていった」

リーディングが終わった。

アリサの魂のカケラはエジプトから逃げてきた光景を記録していた。その時代のアリサの名はアミラ。

アミラは左肩に鏡を担ぎ、太陽光を反射させて光の道を作る役目を担っていた。ガードゥの一族だった。
ウーナとは私のことだと二人は言った。

12人のリーダーはガードゥ。
ウーナを助け出して船を出した。
ウーマはガードゥの妹で、星を読む航海士だった。

六ケ岳は今は文字通り六つのピークからなるなだらかな稜線の山だが、当時は尖った円錐形だったと語られた。この姿がいつ変わったのか、皆目分からない。

何故、13人が逃げてきたのか、その理由は徐々に明かされていった。


<20200112>





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by lunabura | 2020-01-12 16:33 | 「ウーナⅡ」 | Comments(0)

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