2015年 05月 12日
八幡の謎(1)水星と御許山の磐座
八幡の謎(1)
水星と御許山の磐座
今回から、真鍋大覚の著作を通して八幡の謎にチャレンジです。
これまで八幡は、るなにとって漠然とした世界でしたが、
宇佐と安心院という現地に立つと、
物部氏の伝える星の伝承がいくらか理解出来るようになりました。
さあ、誰も知らない古代の日本にご招待。
(『儺の国の星・拾遺』一部改変)
宸位星(水星・マーキュリー) p67
(略)
祖先は人間の生命の発祥を星に求め、日に求め、広くは空にあると信じた。天の聞こえざる声を聴くに、山頂に三個の巨石を安置し、もって神域と定めた。水星の太陽を周(めぐ)るに三月を要する所以であった。豊後宇佐の御許山(647.0米)の遺跡がこれである。
九州でも各地に巨石が置かれた所がありますが、三石は天の声を聴くための神域だと真鍋は言います。
あいにく、御許山(おもとやま)の神域は立ち入り禁止ですが、
熊本の三石を並べた遺跡に行ったことがあります。
それは山頂から少し下った所にあり、三つの巨石が並んでいました。
そこに連れて行ってくれた人が言うには、
「大中小それぞれ、世界、国、個人の祈りを捧げる所だ」と夢で教えられたそうです。
その三石は東を向いていたので、三人それぞれ磐座を背にして
昇ってくる太陽の光を受けました。
太陽と、太陽の光を受けた磐座の波動に挟まれるという特殊な空間に感激しました。
こんな使い方もありかな、とも思っているのですが、
そのアイデアを得たのは、押戸石山の磐に座った時でした。
押戸石山の山頂には磐座があって、不定形のストーンサークルを描いているのですが、
私がひそかに王者の椅子と呼ぶ石があります。
座れるようになっていて、ちょうどリクライニング椅子のように、もたれかかる事が出来ます。
しかし、大き過ぎてつらいです。
その横にちょっと小さい玉座があり、そちらの方が人間には良いサイズでした。
そして、その夜、玉座の正面には冠座が輝いたのです。
それを見て、私は、王になる人が儀式を受ける岩ではないかと妄想したものです。
星と星の光を受けた岩の波動の間の人間、てことですね。
このような椅子は他の山中にもありました。
磐座って、サイズの基準が普通の人間よりも、当然大きいのですが、
与那国島海底遺跡が出て、石段を見た時、
ああ、このサイズの人たちがやはりいたんだと思ったものです。
今では、2m以上の人骨が世界各地から出土していますね。
おっと、話がそれました。もとに戻りましょう。
御許山の磐座が三個の理由は、水星が太陽を周回するのに三か月要することに起因すると真鍋はいいます。
ウィキペディアを調べると「水星の公転周期は約88日である」とありました。
確かにほぼ三ヶ月ですね。
真鍋の本には
「太陽をめぐるに87.98784日を要し、これを約三朔望月に達するところから、三圍(みゐ)の星の名もあった。やがて水星の名の発祥と倭人は解し、御井(みゐ)の星の名を脳裏に浮かべていたらしい」とありました。
太陽の近くにあるので、黎明の時、そして日没時に見るため、晨星(しんのほし)、略して辰星(しんのほし)とも言ったそうです。
(晨とは「あした」とも読み「早朝」という意味です)

(今日の夕方5時ごろ。水星は金星より太陽の近くに)
御許山の三石を聖地とした人たちは、水星が太陽を三か月かけて公転するということに
意義を見出す人たちということになりますね。
つづきを読みましょう。
小熊座を手長星(てながのほし)、大熊座を足長星(あしながほし)と言った。
極東に移り住んだTroya(トロヤ)民族は斗極の形を見ては直ちに水汲み水すくいの仕事を連想し、これがいつしか水星を辰星と重ね合わせる信仰に到達したものらしい。
黄河は北から南に流れる水域があって、これが秦嶺に当たるところに漢人が周(前1122~250)以来、唐(618~975)に至るまでの文明を形成した。
漢人は北が即ち水源であったことになる。ここに玄武なる沙漠の海無し沼の神格を与えて、水星を配したのである。
清少納言の随筆でしたか、「手長・足長」と出て来ますが、これは小熊座と大熊座の名だそうです。

(上のイラスト、足長を書き間違えてます <(_ _)>)
トロヤ民族は日本に来て、初めて北斗七星が水を汲む姿を見たのでしょう。
北斗の水汲みは玄海灘から響灘の現象でしたね。
「これがいつしか水星を辰星と重ねわせる信仰に到達した」という意味はよく分かりません。
黄河の中でも北から南に流れる流域に周から唐の文明があったために、
「北といえば水源」というイメージが出来て、
玄武(北の聖獣)の坐す北の星として水星を配置したということになります。
玄武とはちなみに、亀に蛇が巻き付いた形をしています。
奈良県明日香村のキトラ古墳や、韓国の装飾古墳にも見られますね。

亀と蛇か…。キダとも読めるな…。
佐田神社の亀蛇がこの玄武だとすると、るなの亀蛇考は水泡に帰すかも。
(つづく)
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