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ひもろぎ逍遥

カテゴリ:「ワダツミ」( 43 )

大島 ヨハン神父が隠れ住んだ三浦洞窟へ



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海から上がった所、この岩場の奥に洞窟がある。









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横はこんな感じ。荒波が打ち寄せていて、とても舟は付けられない。









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屹立した二つの岩の隙間から入ると三浦洞窟があり、1643年(寛永20年)、ここに日本語を話すヨハン神父が長崎からキリシタン弾圧を逃れて隠れ住んだと伝えられている。












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現在、現地に行くには船ではなく、灯台のある岬から遊歩道を歩いて降りて行く。


洞窟まで0.2キロと書いてある。わずか200メートルの距離だが、絶対に怪しい。

何が怪しいかって、もし、洞窟が海岸の所にあるとしたら、標高差がかなりあるからだ。
ほとんど登山に近いだろう。

そう言いながら降りて行った。







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結果的にはその想像は当たっていた。







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しかし、絶景が次々に目の前に展開していく。









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港のある南側の穏やかな海と違い、こちらは火山活動がそのまま残っているようなワイルドな大島だ。


ほとんど海の所まで下り、帰りにはそれを登って灯台まで戻るのだが、意外にもきつくはなかった。

いや、ほんと、200mだし。


二度目の大島、または二日目の大島にお勧めのワイルドなウォーキングだ。



これで海のエネルギーをかなり充填した。

まだ海成分欠乏の症状は出ていない(*’▽’)



20190511








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by lunabura | 2019-05-11 20:18 | 「ワダツミ」 | Comments(2)

大島伝聞 坂本龍馬が寄港して、なんと…



大島の港からブラブラと旅館に向かう途中、地元の男性に呼び止められた。
大島の歴史を伝えている方だった。

安部宗任が大島に流されて、安倍総理に至るまでの話を聞かせてもらった。

そして、一枚のコピーを渡された。
それは2008年の高知新聞の「龍馬伝異聞珍聞」というコラムだった。

かいつまんで書くと、

龍馬や海援隊が乗った長さ二十五間(45m)、181トンの震天丸は小銃千挺を乗せて長崎を出て下関に向かう途中だった。

機関の調子が悪く、大島に帰港した。

酒屋で鶏料理を注文したが断られ、自分たちで二~三羽手に入れたものの、誰も調理しないので、藤八拳をやって負けた陸奥源二郎がひゃあひゃあ言いながら始末して料理したという。




藤八拳とは、じゃんけんのようなもので、狐が鉄砲に、鉄砲は庄屋に、庄屋は狐に負けると決め、向かい合ったふたりがいずれかの身振りをして拳をして勝ち負けを決めるものだそうだ。

大島では鶏は産卵のために飼っていて、調理する食文化は無かったそうだ。
各家庭の卵を集めて数十個になると、船に乗って宗像で売っては現金収入としたという。

これでは鶏料理は出されなかったはずだ。


夫にその話をすると、龍馬は最期の日も鶏鍋を食べていたという。

龍馬にとっては鶏料理はソウルフードだったのだろう。


大島にはこの話は伝わっておらず、高知の研究会から新聞記事が送られて、知られることになったそうだ。





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20190509



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by lunabura | 2019-05-09 20:11 | 「ワダツミ」 | Comments(2)

人麻呂は「なのりそ」と言い、志賀島では「ガラモ」と呼ぶ



宗像市大島の港から右手にブラブラとそぞろ歩きしていくと、浜辺に出る。






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「夢の小夜島」の手前に、海ノ中道が出現していた。

潮が両方から満ちつつある。もう間もなくすると、中道は海に沈む。
恋の成就を願うスポットになっているらしい。



足元に見慣れた海藻が落ちていた。
そう、海人族の神社で見かける奉納された海藻だ。
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(糸島 綿積神社の奉納台)

海中でミソギをした証として持って来て奉納するので、境内にはそれを置くための台もある。

この海藻はホンダワラのことで、ホオズキのような袋の玉がついている。

横の海を見ると、そのホンダワラが波に揺れていた。


海中で生きている姿を初めて見た。

確かに、海の中に入らねば、それを採ることはできない。

採ることがミソギの証しなのだ。

これを人麻呂は「なのりそ」と言い、志賀島では「ガラモ」と呼んだ。







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そして、竜宮社の岩の周辺は「ガラモ」の森だった。
袋の玉で浮力を持たせ、波に立ちあがっているのだ。

何故この海藻でなくてはならないのか。

ふと気づいた。

袋の玉こそ、干珠満珠の象徴だったのだろう。

香椎宮の綾杉は神功皇后が植えたということで知られているが、そもそも綾杉には干珠満珠が付けられて志賀島から奉納されたものだという。

今、大島の竜宮社に来て、すべてが繋がった。



このホンダワラは、調べると、ヒジキやアカモクのことだった。
なんだ、いつも食べているものじゃないか。


大島のターミナルの二階の「ミルキーウェイ」で買ったヒジキはプリっと歯ごたえがあっておいしかった。
ターミナルの手前の購買部「小夜島」ではアカモクが入ったてんぷらがおやつ。
そこで買った大島のワカメは絶品だった。

結局、ミソギではなく、喰いに走る私であった(*'▽')





万葉集
柿本朝臣人麻呂之歌集出 1279

梓弓 引津の辺なる 莫謂花(なのりそのはな) 
摘むまでに 逢はざらめやも 勿謂花(なのりそのはな)

(引津の浜辺の「なのりそ」の花
摘むまでは 逢えないが 摘む時が過ぎたら 逢えるので 人に言わないでください)るな訳

20190507


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by lunabura | 2019-05-07 22:27 | 「ワダツミ」 | Comments(0)

ミサゴの巣 増築して要塞化?




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大島の龍の宮から見える岩は、まるで猿岩。








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そして、頭にある帽子は枝で出来ている。

ミサゴの巣だそうだが、昨年より明らかに大きくなっていて話題になった。

下の方には洗濯機のホースのような物が落ちている。
人間の所から拝借してきたようだが、廃棄したようすだ。







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で、昨年の画像を見ると小さく、やはり一年かけて要塞のように増築していた。





で、ミサゴとは?
名前は知っているが、見たことないのでウィキペディアのお世話になった。






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魚を捕食するということで、なるほど。島ならではの景観だ。

空を見ると鷹が飛んできたり、トンビの群れがいたり、豊かな自然が残っていた。




20190506



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by lunabura | 2019-05-06 20:08 | 「ワダツミ」 | Comments(2)

ワダツミ39 再びの竜宮祭 大島へ



ワダツミ39 

再びの竜宮祭 大島へ



昨日から大島に宿泊して竜宮祭に参加した。これで二度目となる。

今年の5月2日と3日は天候に恵まれ、風も無く、竜宮祭は本来の形、すなわち竜宮社の岩山に出掛けての祭となった。








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この竜宮社には船でしか行けず、旅館「藤島」の漁船に便乗する形となった。









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海は緑色をしているが、海の底まで見えるほど透明だ。









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船は空中に浮かんでいるように見える。








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昨年は七つの珠を七つのワダツミの宮に奉納し、代わりに宝具をいただいてここに届けるという先の見えないミッションを抱えての参加だったことを思うと、今年は何も起こらず穏やかに迎えた祭の日だった。

この一年間の平穏は格別だった。



狭い岩の上での直会は神と共に食するという本来の姿で行われ、そこに居ることそのものの喜びに浸った。








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今日、大いなる自然の中、海に囲まれた聖地での神事はきっと風と波を通して弥栄の光を広げていくことだろう。

ワダツミの神。

それは日本人の原点を構成する神の一柱だ。



こんな島が宗像からフェリーでわずか20分の所に存在する。

湊の名前は神湊(こうのみなと)という。




20190503




5月2日に歴史カフェに申し込みをされた方。返信しましたが、戻って来ました。受け付けております。当日お待ちしています。






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by lunabura | 2019-05-03 22:44 | 「ワダツミ」 | Comments(0)

ワダツミ38 芥屋の大門はワダツミの神の祠



 ワダツミ38  

芥屋の大門はワダツミの神の祠だった

 
  
 
桜谷を後にして、糸島の北東部に行こう、という話になって、芥屋の大門(けやのおおと)に行った。
随分久し振りだ。








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海に向かっての鳥居がある。船で上がるためか、と思いきや神額はこちらについている。
ということは、海に向いた鳥居だ!

神額には「大門神窟」とある。
神のいわや!










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で、先を見ると、ん?  確かに海だが、窟は?

と思って左を見ると「芥屋の大門」があった!











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柱状節理が良く見えている。火山活動がダイナミックに起きた証しだ。

海はあくまでも青黒い。これが玄界灘の色。世界中に無い海の色だという。


沖には二艘の遊覧船があり、窟から出て来た船と入れ替わっている。

唐津の七ツ釜しか知らなかった。



神窟というからには、神が祀られているはず。
こんな地形ならワダツミの神しか思い当たらないのだが、ネットで調べると空さんが既に調べてくれていた。訳そう。

【糸島郡誌】
大門神社
大字芥屋にある。鳥居だけが海濱にあって祠は無い。祠は即ち大門神窟である。
祭神は綿積大神、大戸之道尊、大苫邊之尊を祀っている。
祭日2月23日及び7月23日なり。
【福岡県神社誌】
大門神社 大戸之道尊,大苫邊尊,綿積大神 
芥屋村大字芥屋字久保地

やはり綿積大神だった。他の二神は大戸を守る神だ。
思いがけない所で出会った。








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振り向くと、芥屋の大門の山上に向かう道があった。
わずか180mだという。山でこの距離は近いとは言えまい。
と思うが、人々がどんどん森の道に吸い込まれていくので、登ることにした。

お、すぐに戻ってくる年配夫婦。
ヤバいか。













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心地よい道だ。傾斜は結構あるが、写真を撮りながら行けばよい。











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展望台があった。正面にまだ小道が続いている。









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左右の眺めは抜群だが、pm2.5の為にモヤっている。

残念だ。
ここから来た道を戻った。


途中、里の駅で昼食。ランチはお勧め。
地元の方が手作りのものを出してくれている。
20190407の糸島だ。



20190411



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by lunabura | 2019-04-11 19:58 | 「ワダツミ」 | Comments(0)

ワダツミ37 繁栄の種



 ワダツミ37  

繁栄の種

 
  
 



久し振りに「ワダツミ」に戻ろう。

前回の記事は時代が違うかもしれず、確認できたら移動させる可能性がある。

どれもこれも中途半端だが、「知る」作業は一直線には行かない。
いつか完結することがあるのだろう。

あれから、私は自分がやりたいこと、すなわち執筆に専念していた。
それを終えて、ほっとすると春になっていた。


そうだ、糸島の若宮神社の桜に蒔いた「繁栄の種」はどうなっただろうか。
芽を出しただろうか。

そんなことを考えた。

タイミングよく、菊如から糸島に行こう、と連絡があった。
それが今朝のことだ。

こうして、三度目の糸島市志摩船越の桜谷、若宮神社に参拝した。

遠くから桜が見えた。
「咲いている!」歓声を挙げた。

目指す桜は奥の方だ。








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昨年はようやく数輪の花を付けていたが、今日は満開だった。
光が当たる枝先にだけだが、花をつけている。

今日来れてよかった。

それから、いつものように参拝した。










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菊如が祝詞を挙げた。太陽に向かい、祈るとあの光が現れた。













それから谷を出て海岸線に出ると桜が海に向かって咲き誇っていた。








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綿積神社だ。

ここでアジャーシタが崋山に懸かって、玉依の存在を語った。

そして、その後、七つの珠を奉納して廻ったとき、最終地点がここだった。









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白皇が海中の「鍵」を貰った岩は、今日は見えていない。









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あれから一年が経ったと、桜が教えてくれた。

20190407



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by lunabura | 2019-04-07 20:19 | 「ワダツミ」 | Comments(2)

ワダツミ36 ヤキター村のマクロ―2



 ワダツミ36  

ヤキター村のマクロ―2


 
  
 
飯塚の王塚古墳が出来る前、金を掘っていたマクロ―の時代はどんな時代だったのだろうか。私は尋ねた。

「ヤキタ―村の人たちはずっと昔からいたんですか」
「我々が最初にあそこにいた。二本線のきらびやかな衣装のヤツラが後からやってきたのだ」

「戦ったのですか」
「戦うもなんも、戦う道具などは持たん」

「占領されたのですか」
「ああ」

「掘った金を狙われたのですか?」
「金どころではない。我らは戦う種族ではない」

「何と呼びました?相手のことを」
「…」
マクロ―は言葉に詰まった。

歴史上知られる種族、渡来人の名が出てくれば、ありがたいが、マクロ―にとっては「二本線のヤツラ」で済むのだろう。

私は話を切り替えて、マクロ―自身の種族について尋ねた。

「あなたの種族は何という方々でしたか?」
「…」

「何かシンボルマークを持っていましたか?」
「…」

「入れ墨は?二本線の者たちのように入れ墨を入れていましたか?」
「入れん。我らは入れ墨などは入れぬ」

「長(おさ)は?どなたですか?」
「我らの長は、ヌタと呼んでおった」

私たちは息を呑んだ。
まさか、探していたヌタの名前がここに出て来ようとは!

その間にマクローはシンボルマークを思い出していた。

我々は紙とペンを与えた。

すると、勾玉のような絵を描いた。しずくが勾玉のようにカーブを描いている。それを六個。中心から花びらが開いたような形に描いた。

「何と呼んでいたのですか?それを」
「我らのマーク。これは空に浮かぶ雲により、一つに集まる。
我らは占領され、腕に二本の線の焼き印を入れられた」

――なんと。二本線の種族に捕えられたヤキタ―村の者たちは同じ二本線の焼き印を入れられ、配下に組み込まれてしまったというのだ。
なんと無残な。

彼らは誰なのか、知る方法は無いか。
現代に通じるもの。
そうだ、神の名を尋ねてみたら分かるかもしれない。
そう思って、私は尋ねた。

「マクローさんの神は誰ですか?女神ですか?」
「ああ」

「何という女神ですか」
「我らの女神…、我らの女神…、…、我らの神事、我らの神、巫女の事か?」

マクローたちにとっては巫女が神だった。
祠にいる神ではなく、生きて自分たちの指針を与えてくれる巫女が神だった。

ここで、菊如が尋ねた。
「巫女の名前は何ですか」
「我らの巫女…、サワラベ…、サワラビメ」

マクローは再び絵を描き始めた。
それは蕨手紋に近かった。
地上から芽を吹き、茎が出て先の方でくるりと曲がる。
それを中央から6個描いた。
「水が草花を育て、伸びる」

――サワラビには命の芽吹きの意味があるようだ。その名を持つのが巫女か。

六つの雲が集まる。
六つのサワラビが伸びる。

マクローたちは、そういう自然の営みを尊んでいた。

マクローは語った。
「我らは表向きには戦いを好まぬ。農耕民族だ。しかし、金の採掘をしていると、オホヒメが『金、そのうち金を狙って来る』と言われ、我らは戦いの準備を始めた。
表は農耕、裏では戦いの準備…」


この時、突然、崋山に女人が懸かった。
「もう良い。もう良い」
たどたどしいマクローのようすを見かねて、別の存在が入れ替わった。








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この日の夕方、撮った六ケ岳の上の雲。
雲が刻々と不思議な形を取っていたので、思わず撮った。

並んだ丸い雲。
これが六個丸く花が咲くように放射状に開いたのがマクローたちのシンボルだった。



20181114





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by lunabura | 2018-11-14 21:55 | 「ワダツミ」 | Comments(0)

ワダツミ35 ヤキター村のマクロ―1



 ワダツミ35  

ヤキター村のマクロ―1

 
  
 

この物語の始まりが2017年10月10日だった。
それから一年経って、2018年10月10日に、菊如と崋山は再び気になる所を回る事にした。

菊如は、大国主が動き始めている、という。
そして、「朝倉の大己貴神社はどうかしら」と私に尋ねた。

私は、
「大国主なら、飯塚に「出雲」があって、最近の統廃合で地名が失われたけど、信号機にかろうじて名前が残っているから、そこはどう?」
と言った。続けて、
「その南の土師(はじ)には老松神社があって、そこに大国主と少彦名がやって来たという、大変珍しい縁起があるの。
大国主の足跡を伝える神社はめったにないのよ。

そこから山越えしたら朝倉の大己貴神社にも行ける。
出雲に行ったなら、一度は王塚古墳を見たらいいよ」

そんな話をした。

菊如は「大国主神社にもう一度行こうかな」と言った。
「それはいいね!」
そうだ、再びそこから始めて思いつくまま南下すればよい。
二人は導かれるまま必要な所に行くだろう。


そして、二日後、10月12日に私たちは結願のために再び集まった。

そして、一人の男が崋山に懸かった。
その男は両手首が縛られているようにみえた。
そして、しきりに自分の左肩を示す。
菊如は尋ねた。
「どうされました?手が結ばれているんですね。」
男は言葉は返さず、右手でやはり左の肩、正確には上腕を掴んでみせた。

「そこ、どうされたんですか。どういう意味ですか。お話しください。肩をどうされたのですか」
「肩に二本の線があるやつらが攻め入って来た」

「どこに?10日に行った川ですか、遺跡ですか」
「遺跡」
それは王塚古墳を指していた。

「集団で来たのですか」
「色は浅黒かった」

「私は菊如と申します。あなたさまのお名前は?」
「私の名前か…、私の名前…は、マクロ―。肩に二本の線が…。
あの辺りには我らの村があった」

「何という村ですか」
「我らの村はヤキタ―」

「あの一帯に集落があったのですね。今は王塚古墳となっている所ですか」
「我らの村はあの反対側の山の麓だ。もともと鉱山があった。様々な集落が集まって奥深く金を掘っていた所だ」

「(王塚古墳は)立派な方のお墓だったみたいですよ」
「私は誰が入っているか知らん。私の時代は金を深く掘っているしかない」

「あなたがいた頃からあったのですか」
「あの場所は我らが掘っていた場所。深く掘っていた場所。山ではなかった」

どうやら王塚古墳が出来る前の話だ。この古墳には石炭の層があり、それを掘ろうとして見つかった古墳だ。危うく壊される所を、一人の男が命を張って守った。

この石炭層のさらに下に金鉱脈があったのだろうか。あるいはピンポイントではなく、その付近一帯の話なのだろう。

マクロ―は山側の方に住んで、金を掘っていたという。そのヤキター村に、ある日浅黒い顔の集団が襲って来て、マクロ―は捕えられたようだ。その集団は左肩に二本の線を彫っていた。入れ墨だろうか。



                        (つづく)






(この記事、2012年10月10日にUPしてた(*_*)








ヤキタ―の村は左手の山の麓かな?






(今の考えとは少々違っていますねえ。想像の部分は思考の過程と思って読んでください)




下の「ワダツミ」をクリックすると過去記事が出てきます。


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by lunabura | 2018-11-13 20:09 | 「ワダツミ」 | Comments(0)

ワダツミ34 ワダツミの神3 ハヤアキツ姫



 ワダツミ34  

ワダツミの神3

ハヤアキツ姫

 
  
 


新しい状況になったが、元の問題に戻らねばならない。
ワダツミの神が封印された事情を明らかにしたかった。

サワラビメのミコトは「ウガヤを殺したためにワダツミの神の怒りに遭って全滅した。そのためにワダツミの神を封印した」と言っていたが、実際どうなのか尋ねることにした。

「サワラビメのミコトはあなたによって船が沈められたと言っていましたが」

これを聞くと、ワダツミの神は急に強い口調になった。
「たまたま嵐が来たのだ。我の力ではない。勝手に我の力のせいにしているのだ。この地は島国。嵐もくれば大雨も降る。それを全部我のせいにしているのだ」
と言った。

「あなたを封印したのは誰ですか」と尋ねると
「サワラビメの一族だ。巫女がいる。七人の巫女と祝(はふり)だ。
そのうち3人は男、4人は女だった。

白い装束を着て、我らの竜宮、すなわち志賀島の入り口に立ち、我の力を封じるため、すべての門を閉じ、我を海底から引きずり出し、あの大島の祠に封印した。その7人の封印を使う者、大島におる。今でも」
と答えた。


「その7人は封印が解けたのは知っているのですか」
「あの封印が解かれるのを快よく思わぬ者もいるし、知らない者も多い。ただ、封印を掛けた者の子孫は今もなおあの地で生きている。

竜宮の入り口は沢山ある。海から入って来られぬというだけだ。
我が復活したからといって全て盤石とは言えぬ。
天の神、地の神、海の神が揃い、力を合わせなければならない。
それほど日本が危険だということだ」

私は話を原点に戻した。
「赤坂で死んだのは誰ですか」
「我ら一族は地に上がる必要があった」
とワダツミの神はまた、はぐらかした。

「西に行った人はどうなったのですか?」
「うまく安曇と合流し、生き長らえた」

「子供はいたのですか?」
「玉依との子を望んだが、安定の時代ではなかった。自分が生きるのに精一杯だった。戦う力を持たぬ安曇。しかし我の血筋が一人は確実に要る」

― 赤坂のウガヤも宇土に逃げたウガヤも子がいない。するとワダツミの直系は絶えたことになるではないか。謎がどうしても解けない。

この時、菊如が、
「あなたの手元の子の名は、本当にセオリツですか?」
と尋ねた。これに対してワダツミの神は答えなかった。菊如は
「本当の名はハヤアキツ姫ですね」
と言うと、ワダツミの神は「そこまで観えるか」と驚いた。

「男として育てられたのですね。ハヤアキツ姫は」と菊如が言うと、
「ああ。海を守る姫だ。今、我はハヤアキツ姫と共に竜宮におる。そなたは姫が観えておったか」と観念した。

「セオリツ姫とは?」と菊如が尋ねると、
「セオリツ姫とは固有名詞ではない。人の名前でもない。物の名前でもない。現象の名のことだ」

私は尋ねた。
「何の現象ですか」
「入ってはならぬ島に船が入ろうとして沈没したり嵐が来たりすると、それをセオリツ姫が守ったと人々は言った。
セオリツ姫はこの大海原すべてだ。
大海原すべてがセオリツ姫だ。

水平線がうすいピンクに染まる時がある。あれがセオリツ姫だと人々は言う。
ピンクに染まると嵐が来る。空もピンクに染まると雨が降る。あれをセオリツ姫の衣と言っている」

「ハヤアキツ姫とは?」
「隠す必要があった。我の命も狙われている。豊玉姫と我の命を狙うやつがいる。この子は守らねばならない」

「狙う者とは誰ですか」
「目の黒い者とこの地の者。我がいなくなれば思い通りに魚が採れると思う者。
巫女の言うことを信じた。戦うことを好きな者は自分たちで考えることも忘れ、うわべでは神の声を聴くと言って、占いをさせて踊らされ、戦いを仕掛けてくる」

「それは物部ですか」
「ああ、すべて戦いで片付ける。どうして我らが安全に生きて行けようか」


こうしてワダツミの神がハヤアキツ姫を隠していたことが出て来た。そのために幾重にも嘘を語り、辻褄が合わなくなっていたのだった。

話を聞いていると、段々逸れて行ってしまう。

想像を絶する興味深い話ではあるが、謎の原点に常に立ち戻らねば膨大な異世界の情報の海に漂う事になる。

問題は何か。
それはこの物語の始まりである大国主神社の豊玉姫だ。
何故、そこにいたのか。
何故、崋山に懸かり大島経由で帰っていったのか。
その辺りに絞られよう。

豊玉姫は干珠満珠を守るため、代々生まれているという。
そうすると、大国主神社にいた豊玉姫が何代目なのか、明らかにせねば状況が分からないことになる。

また、突然出て来たクグマは「豊玉姫らしき女人がヌタと共に来た」と言ったが、それが豊玉姫だったのかどうかは確定していない。勘違いの可能性もある。

面白いが、踏み込むことに躊躇する世界でもあった。



(つづく)


20181112

下の「ワダツミ」をクリックすると過去記事が出てきます。



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by lunabura | 2018-11-12 21:01 | 「ワダツミ」 | Comments(0)

綾杉るなのブログ 神社伝承を求めてぶらぶら歩き 『神功皇后伝承を歩く』『ガイアの森』   Since2009.10.25