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ひもろぎ逍遥

豊玉姫 『日本書紀』



豊玉姫

『日本書紀』



豊玉姫については、これまでは『古事記』の話を前提にしていました。
あらためて『日本書紀』を訳してみると、ずいぶん雰囲気が違います。

特に出産のシーンは「八尋ワニ」(神亀)ではなく、
「竜」になっていました。

豊玉姫を「竜女」というのはこれから来ているんですね。

志賀海神社を「龍の都」(たつのみやこ)というのも、
安曇族のトーテムが龍(たつ)だったことを示しているのでしょう。

『日本書紀』には、
海神(わだつみのかみ)豊玉彦が山幸彦に干珠満珠を渡すシーンが
書かれていますが、これは今回省略しています。


豊玉姫 『日本書紀』_c0222861_2171375.gif



山幸彦は兄の釣り針を探しに海神(わだつみのかみ)の宮にやって来ました。

井戸のほとりに湯津(ゆづ)桂(かつら)の木があったので、
そこにたたずんでいると、
一人の乙女が屋敷から出て来て水を汲もうとしました。

山幸彦と目が合うと、乙女は驚いて屋敷に戻り、
父母に「珍しい客人が木の下にいました」と言いました。

父の海神が出ていって山幸彦に事情を尋ねると、
山幸彦は釣り針を探しに来た事を伝えました。

海神が大小の魚を集めて調べると、
鯛の口に釣り針が刺さっていました。

この縁で、海神は山幸彦を留めて娘の豊玉姫と結婚させ、
二人は幸せに暮らしました。

ところが、三年経つと、山幸彦は自分の国に戻ってしまいました。

豊玉姫は懐妊していたので、妹の玉依姫を連れて
海を越えて山幸彦の元にやってきました。

出産する時に「見ないでください」と言いました。

ところが山幸彦は我慢ができずに覗き見をすると、
豊玉姫は龍になって出産していました。

それを知った豊玉姫は、
「どうして約束を破ったのですか」
と嘆き、子供を萱(かや)で包んで海辺に捨て、
海の道を閉じて去ってしまいました。

生まれた子供は萱にちなんで「ウガヤフキアエズ命」と言います。


豊玉姫 『日本書紀』_c0222861_2171375.gif




竜に戻って出産した豊玉姫が自分の姿を見られ、
恥じて子を捨てて戻って行ったという神話の真意は
何らかの政治的な事情で子を奪われたことを示しているのだろうと
いつも思っていました。

マーリンさんが、志式神社のビジョンで、
船に乗る直前、豊玉姫がずらりと並んだ兵士の前で
必死で話をしているようすを見たそうです。

その時、兵士たちは皆顔を伏せていたと。

(少々表現が違っていますが、リンク先、あとで探しておきます。)

そんな事情が込められたのが神話化されたのでしょうね。



さて、
10月7日(土)と8日(日)の講演の概要が決まりつつあります。

三越前のライオン広場というのは通路の一部のようです。
通行人にお話しするって、すごく難しそう。

音楽ではないので、足を止める方がいるのかどうか。

皆さん、応援に来てください (^^)/

サイドバーに日時を書いています。



『神功皇后伝承を歩く』志式神社 下巻72



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豊玉姫 『日本書紀』_c0222861_15184581.gif

# by lunabura | 2017-10-01 21:10 | 豊玉姫と玉依姫 | Comments(2)

水沼三女神  『日本書紀』一書第三



水沼三女神

『日本書紀』一書第三



『日本書紀』では三女神について、いくつかの伝承を集め、
整理して記録しています。

「本文」に対して「一書」という形になっています。

そこには、私たちが断片でしか知らない話が一つの物語になって
載せられています。

今回は「水沼君」(みぬまのきみ)が祭る三女神の記録です。
ここに初めて「海北道中」「道主貴」(みちぬしのむち)が出てきます。

地形的には「ありなれ川」が筑紫を貫いて
右佐(宇佐)島と左佐島(天原)に分かれていた時代です。

筑紫は筑前、筑中、筑後の三府がありました。

例の如く、短縮したり、追加したりして現代風にしています。


水沼三女神  『日本書紀』一書第三_c0222861_2056135.gif



『日本書紀』【一書 第三】水沼三女神

アマテラス大神はスサノオ尊と天安河(あめのやすかわ)を隔て、
向かい合ってウケイをされました。

「もし悪い考えが無いなら、そなたが生んだ子供は男の子だろう。
もし男の子を生んだら私の子として高天原を治めさせよう」

そう言うと、
アマテラス大神はスサノオ尊の十握剣を食べて市杵島姫を生み、
九握剣を食べて湍津姫を生み、
八握剣を食べて田霧姫をお生みになりました。

 スサノオ尊がアマテラス大神の左の髷(まげ)の勾玉(まがたま)を
口に含んで左手に載せると男の子になりました。
「私の勝ですね」
そういうと、右の髷や首飾りなどから次々と男の子を六人お生みになりました。
この六人の男の神は約束どおり高天原を治めました。

 アマテラス大神が生んだ三柱の女神(ひめかみ)は
葦原中国の宇佐島に天下りされました。

今は海の北の道の中にいらっしゃいます。

名付けて道主貴(みちぬしのむち)と言います。
これは筑紫(ちくし)の水沼君らが祭る神です。


水沼三女神  『日本書紀』一書第三_c0222861_2056135.gif




水沼君の聖地は久留米市の赤司八幡神社。(下巻56)ここの縁起が詳しい。
政治の地は同市弓頭神社(下巻57)
ありなれ川のそばの湊は同市大善寺玉垂宮(下巻78)


みなさん、【「ご来福」しよう】の鈴を鳴らしておみくじを引きましたか?
実は、私が引いたのは「宗像大社」でしたよ。

タイミングの良さに、笑ってしまいました。

来週になりますが、ラブFMの「古代の福岡」のイベントに参加します。
『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群世界文化遺産登録記念イベントです。

そこで、「宗像三女神」と「女神に逢える福岡の神社」みたいなテーマで
話をする予定です。

おみくじがタイムリーでした^^


10月7日(土)と8日(日)の二日間の参加です。
天神の三越前か、その近くです。
はっきりしたらお知らせします。

てか、もう一週間切れた(;’∀’)

(これは以前書いたマスメディアとは別件です)


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# by lunabura | 2017-09-30 20:58 | 赤司八幡宮・あかじ・久留米 | Comments(0)

宗像三女神の誕生 『日本書紀』本文から



宗像三女神の誕生 

『日本書紀』本文から



宗像三女神の「誕生」にはいくつもの伝承があり、
また三女神の名も異説が沢山あります。

今日は『日本書紀』の本文を訳してみました。
現代人の理屈では理解できない部分があるので、
言葉を補ったり、簡略化したりしています。
(だからコピペはしないでね)


宗像三女神の誕生 『日本書紀』本文から_c0222861_2128296.gif

イザナギ尊は自分の子供たちを集め、
アマテラス大神には高天原を、
スサノオ尊には青海原を治めるように命じました。

スサノオ尊は姉のアマテラス大神にお別れの挨拶を
しようと思って高天原に昇る時、
海が荒れ、山も激しく吹き荒れました。

アマテラス大神は驚いて、
「海や山が荒れるのはスサノオの猛々(たけだけ)しい心の表われだろう。
わが高天原を奪うつもりではないか」
と思って、男の髪型のミヅラを結って袴(はかま)を着けました。
勾玉の腕輪を着け、ミヅラにも勾玉をつけて、
武装してスサノオを待ち構えました。

スサノオはそれを見て、
「私には悪い考えはありません。お別れに来ただけです。
まさか、姉上がこんなに怒っているとは」と言いました。

アマテラス大神が
「悪い考えがないかどうか、証明しなさい」と言われたので、
「それではウケイをしましょう。
ウケイで占ってお互いに子供を生みましょう。
もし私が女の子を生んだら悪い考えがあり、
男の子を生んだら清らかな考えだということで、どうですか」

「よかろう」
と言うと、アマテラス大神はスサノオ尊から
十握剣(とつかのつるぎ)を貰いうけました。

それを三つに折ると、天の真名井(まない)でそそぎ、
噛み砕いてフッと吹き出すと、
その息吹(いぶき)の中から三人の姫神が生まれました。

名付けて田心(たごり)姫、湍津(たぎつ)姫、市杵島(いちきしま)姫といいます。

 スサノオ尊は勾玉を貰いうけて五人の男の神を生みました。
「私は男の子を生んだのだから、清らかな考えということが証明されましたね」
それを聞いて、アマテラス大神は
「分かった。
五人の男の神は私の勾玉から生まれたから、私の子供にしよう。
三人の女神はそなたの十握剣から生まれたからそなたの子にしよう」
と言われました。

この三柱の女神(ひめかみ)は筑紫(ちくし)の胸肩(むなかた)君らが祭っています。


宗像三女神の誕生 『日本書紀』本文から_c0222861_2128296.gif


(このラインは「素材の小路」より)



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# by lunabura | 2017-09-29 21:32 | 宗像大社・むなかた・宗像市 | Comments(0)

(祝)福岡県がついに神社と古代史のHPを出したよ (^^)/【「ご来福」しよう】



(祝)福岡県がついに
「神社と古代史」のHPを出したよ (^^)/

その名は【「ご来福」しよう】










このHP、入口が二つあるみたい。
どっちがいいかな♪


すごく躍動的で楽しい^^
二次元なのに動きがあって、ワクワクする。


福岡県が福岡の神社と古代史を全国に伝える企画を始めましたよ!
嬉しいですね。

私も行ったことのないスポットが沢山紹介されています。
寄り道のグルメスポットも。

福岡って総本社も沢山あって、ご利益もパワフル。
そんなワクワク感があふれています。

人々の願いと神社は密接に繋がっているんですね。

ご利益はあまり願わない私ですが、
神功皇后のガイドブックを素人が出せたという事自体が、
ご利益かもしれないなあ。



実は、わたくしこのHPの作成に当たって、
少しお手伝いしました。
投稿文も数本、寄せています。
少しずつUPされていくので、見つけてくださいね。

ヒント。
画像がいっぱい♪

私が撮った写真も切り取り方でこんなに変わるの?
と、目から鱗です。



以下は福岡県大阪事務所のフェイスブックからの引用です♪

【福岡古代の旅「ご来福」しようホームページがオープン!】

福岡では、知人が来ると、「◯◯さんご来福!」と言います。
なんと縁起の良い響きだと思いませんか!
実際、福岡は歴史的にも究極のパワースポットが集まる地。

今回、そんな福岡県内のご来福スポットを紹介する、
「ご来福」しようHPがオープンしました。
ご利益・歴史から見る古代スポットを随時更新予定です。

トップページの鈴を鳴らせば…
あなたにおすすめのご来福スポットが表示されます!
皆さまに多くの幸が訪れますように!

この機会に、あなたもご来福しませんか?

福岡古代の旅「ご来福」しようホームページはこちら↓

https://goraifuku.jp

(上の画像でリンクしてます^^)

(鈴を鳴らすとおみくじが出た(;'∀'))


コメントありがとうございます。
返事はお待ちくださいね。


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(祝)福岡県がついに神社と古代史のHPを出したよ (^^)/【「ご来福」しよう】_c0222861_15184581.gif

# by lunabura | 2017-09-28 20:40 | ご来福しよう | Comments(0)

秋月のバスハイクのプランニングをした



今日はバスハイクのプランニングをしました。

もう9回目になるんですね。
次回は朝倉です。

仲哀天皇崩御後、神功皇后は羽白熊鷲討伐に向かいますが、
筑前町から朝倉の秋月まで、
行軍ルートがずらりと連なっています。

車で5~10分の距離ごとに神社があります。

かつては神社誌を見ては探しに行ったので、
何度もバラバラに行きましたが、
今回はルート沿いに一気に行くので、楽しみです。

このルートはバイクで走ると体感が違うだろうなと思いつつ
時間調べをしました。
もちろん、「杉の馬場」は歩きですよ。


催行は11月に決まりました。
具体的には、「歴史と自然をまもる会」が公表されてから後の
案内になります。

紅葉がちょうどいいかも。
フルーツの里なので、それも楽しみです。



以下はパワーポイントの画像です。







秋月のバスハイクのプランニングをした_c0222861_2295663.jpg

照英に羽白熊鷲の役をやって欲しい^^









秋月のバスハイクのプランニングをした_c0222861_22101750.jpg

『日本書紀』に載ってる「安」(やす)の松峡八幡宮。








秋月のバスハイクのプランニングをした_c0222861_22103991.jpg

軍士たちが敵前逃亡した大己貴神社。











秋月のバスハイクのプランニングをした_c0222861_22105764.jpg

『日本書紀』に出てくる「荷物田村」(のとりたのふれ)










秋月のバスハイクのプランニングをした_c0222861_22111386.jpg

黒門前が陣営地の一つ。










秋月のバスハイクのプランニングをした_c0222861_22114432.jpg

垂裕(すいよう)神社の石段登りは御覚悟を。
メチャ、ハード。

などなど。




秋月、すごく好きなんです。




『神功皇后伝承を歩く』上巻40~47「羽白熊鷲との戦い」




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秋月のバスハイクのプランニングをした_c0222861_15184581.gif

# by lunabura | 2017-09-26 22:13 | バスハイク | Comments(0)

綾杉るなのブログ 神社伝承を求めてぶらぶら歩き 『神功皇后伝承を歩く』『ガイアの森』   Since2009.10.25

by luna