ひもろぎ逍遥

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ウーナ66 七つの珠27 綿積神社2



ウーナ66

七つの珠27 

綿積神社2
 



私たちは早春の糸島の桜谷を後にして、船越の綿積神社に向かった。


前回、間違ってここに迷い込んだことも、今では意味があるように思えた。
見慣れた景色。

ここにはアジャーシタという不思議な女性が居た。
豊玉姫が上の方にいるというが、結局見つからなかった。





さて、珠を奉納して法具の鍵を貰うとしたら、どこだろうか。
すると、目は沖にある岩礁に釘づけになった。










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あれこそふさわしい。
きっとあそこだろう。










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しばらくして、案の定、菊如が指を差しながら、白皇に説明をし始めた。
祝詞を上げ、珠を献上すると、鍵がその手に入った。
白皇は「胸が苦しい。バクバクする」という。

崋山は上から豊玉姫の分御霊(わけみたま)を貰ってその胸に入れた。
その瞬間だった。
有線放送が「夕焼け小焼け」を奏で始めた。
「5時ぴったり」
四人は大笑いした。
これもまたサインだった。









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その後、崋山は石段を下りようとして、
「ここ!ワダツミの神の宮殿そっくり!」
と言い出した。










そう、この境内は参道を中心として左右対称に庭園風になっている珍しい境内なのだ。シンメトリーなしつらえは西洋風のたたずまいだ。
現代の造園ではあるが、海の底のしつらえを無意識に反映した宮殿ということか。

さて、これで七つの珠の奉納をすべて終え、七つの法具を手に入れた。
あとは、5月の大島の祭典を待つのみとなった。


しかし、あの岩礁には前回は気づかなかった。
どうしてだろう。
そう思って画像を確認すると、前回は満ち潮のため、波頭が見える程度だった。
この日、この時でないと、あの岩礁は現れていなかった。








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やわらかな桜の開花。
この年、恋い焦がれた一番花が目の前にあった。



ウーナ23



ウーナ24




2017年11月11日から2018年3月11日、3月24日と、糸島に通った。
書き残しておいてよかった。今読み直すと、答えは既に与えられていた。

麗しい糸島のワダツミの物語。


異世界小説
20180719







歴史と自然をまもる会
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申し込みは 092-408-7140(火曜~金曜)
8月2日(木)8:30  安心院 神武天皇と水沼族の足跡と謎の巨石群を訪ねて





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by lunabura | 2018-07-19 21:26 | 「ウーナ」 | Comments(0)

ウーナ64  七つの珠25 イワナガ姫



ウーナ64

七つの珠25 

イワナガ姫
 



糸島の桜谷。若宮神社。
数輪花をつけた桜の木の根元に「繁栄の種」を納めたあと、私たちは本殿に行って参拝をした。

崋山は裏手の崖をずっと見ている。
そして何者かが懸かった。それはイナリだった。

菊如が尋ねる。
「いつからここに?」
「1872年から。ここを建て直し、われらは要らぬ存在。川べりに御社があった」
そう言うと、山に向かって狼のように遠吠えをした。

「ここのことを教えてくださいな。どなたかいらっしゃる?もともとどなたが居られたの?」
そう尋ねると、イナリは去り、代わりに女人が懸かった。

「はじめまして。菊如と申します。どなた様ですか」
「わたくしはこの祠の地に休むイワナガでございます。あのイナリたちはこの奥に入らぬように守っている者でございます」

私が尋ねることになった。
「桜の木に納めた繁栄の種について教えてくれませんか」
「わたくしの思いと神々の思いと暗い森の中。
その中に一厘の花が咲く思い。

コノハナサクヤ姫と共にこの地に舞い降り、あの木に始まるのでございます。
全国に回り、この地に戻り、再びあの木から始まるのです。

暗い世に花を咲かすコノハナサクヤ姫。
花が咲くことをこの地より、コノハナサクヤ姫が始めるのでございます。

すべてが始まり、暖かい日が始まり、寒くて花の咲かぬところに花が咲き始めます。
日本の暮らし。

この地を守り、日本の国が乗り越え、また花を咲かせるのでございます。
必ず、どんな花も、その花を咲かせます。

この周期をここからすべて見守っているのでございます。
今日植えた種はさまざまな人と共に、暖かな空気と共に日本に広がっていきます。
わたくしはここに眠ります」


イワナガ姫はコノハナサクヤ姫と共にこの地に舞い降り、
あの桜の木から花を開かせていくのだと言う。

この谷は暗くて寂しい。
その暗さに意味があった。
陰から陽へ。
冬から春へ。
その自然の周期がこの地から始まるのだという。

陽極まって陰に転ず。
夏が極まると冬に向かっていく。
来る年、来る年、イワナガ姫とコノハナサクヤ姫はこの木から始める。

桜谷の持つ意味は人間の想像を超えていた。

菊如はかつて一粒万倍(いちりゅうまんばい)の日に
ここに来るように告げられて祈祷をしたことがあるという。

その物語もここから始まった。





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異世界小説
20180717




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by lunabura | 2018-07-17 21:38 | 「ウーナ」 | Comments(0)

ウーナ63 七つの珠24 糸島桜谷若宮神社 繁栄の種



ウーナ63

七つの珠24 

糸島桜谷若宮神社 繁栄の種
 



私たちは北九州を離れ、糸島に向かった。
菊如も途中で合流して、四人になった。

細石神社で預かった「繁栄の種」を納めるのは船越桜谷の若宮神社だ。






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今年は桜の開花がかなり早いが、それでも3月24日なので
谷あいの桜に花が開いているのか心もとない。







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しかも、桜の木があるのかどうかも分からなかった。
神社には桜はつきものだが。








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しかし、それはすぐに見つかった。
暗い谷の中、光を求めて横に横にと伸びていった一本の桜。

その枝先に桜が数輪咲いていた。








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その表皮は桜とは思えぬ様相をしていた。

私は宝箱から「繁栄の種」を両手で受け取った。

「あれ?暖かい」

細石神社では涼しかったエネルギーはほんのりと暖かくなっていた。

それを根元に納めた。

すると、太陽の光が急に強く差し込んできた。









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役目を果たせた印だ。
そう思った。



異世界小説

20180715




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by lunabura | 2018-07-15 21:29 | 「ウーナ」 | Comments(0)

ウーナ50  七つの珠15 志登神社にて



ウーナ50

七つの珠15 

志登神社にて
 



3月11日。17時25分。
再び志登神社に着いた。





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前年の11月11日からちょうど四か月目。




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季節は一つ進んでいた。





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が、再び神殿に光が当たるタイミングに到着した。

豊玉姫とワタツミの神ならここを外せなかった。
光はそれが正解だと知らせていた。

「何かを貰うなら豊玉姫の石の所よね」
と白皇に言うと白皇も同意する。

11月の時にその石に白皇を案内していた。
菊如は行かなかったっけ。




菊如は神殿にて祝詞を捧げる。
そして、やはり石の方に行くことになった。






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もう地元の誰もが忘れている豊玉姫の石。








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傾いた石碑がわずかに史跡だということを示している。
この木が無かったら、消え去っただろう。

かつてはもっと高かった。
畑を作る時に土入れをして、ギリギリ残ったと思われた。
せめて案内板を設けてはくれまいか。
と願うばかりだ。


作物を踏まぬようにして近づく。
菊如は石の上に大きく手を広げてみせて、
白皇に真似をして受け取るようにと言った。
受け取ると、「布団みたいなの!」と白皇は声を挙げた。

何で?
そんなの?

崋山の話では、わだつみの神の乗り物で、泡で出来ているものだという。

その泡は後部が立ち上がり、ひさしのようになって、
神の翳(かざし)になっていた。
ワタツミの神は男性の姿をしていて、
左肩から布を垂らしたポセイドンのイメージだと言う。

何故、七か所に法具がバラバラになっていたのかを訪ねると、
白い発行体の人が七つをパーンと飛ばしたという。

「泡と七」で思い出す夢があった。
2月8日の夢だ。

ある男が海に半身浸かり、空手のように拳を突き出しながら修行していた。
その浜の続き、左手には崖があって上の方にテラスがあった。
そこは泡で真っ白になっていたが、
七人の白装束の神が並んで泡を蹴飛ばしながら拳法の修行をしていた。
テラスの下には洞窟があった。

そんな夢だった。
けったいな夢だったので良く覚えている。
これと法具の話がつながるかどうかは分からない。



さて、この日は志登神社で上がりだった。
午後だけで五つもの珠を奉納し、法具を受け取った。

私たちは近くの櫻井神社に挨拶して二見ケ浦に出て帰途についた。
二見ケ浦を通りながら「ここはよく来たあ」と白皇が言う。
三苫の海も奈多の海も同じことを言っていた。
白皇と海は切っても切り離せなかった。



「るなさんがいなかったら分からなかったよ」
と菊如が言う。

そだねー。
私も不思議だよ。


2080605





歴史カフェ小城
6月9日(土)第3回 3時~5時
1部:佐賀の女神たち よど・とよ・とよたま姫
2部:神功皇后の伝承
申し込みはコチラへ
①氏名(よみがな)②簡単な住所(字まで)③609小城希望
詳細はコチラ
会場:小城鍋島家Ten

歴史と自然をまもる会
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6月14日(木) 住吉の里
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◆歴史カフェ福津◆
7月8日(日)第19回 2時~4時

シリウス ー倭人と渡来の記憶ー
六嶽神社とシリウス、 真鍋大覚の記録(完全版)
募集開始 詳細はお待ちを
申し込みはコチラへ
①氏名(フリガナ)②住所(市町村字)③708福津希望





異世界小説 
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by lunabura | 2018-06-05 21:34 | 「ウーナ」 | Comments(6)

ウーナ49 七つの珠14 細石神社にて



ウーナ49

七つの珠14 

細石神社にて
 



前回の染井神社には豊玉姫と玉依姫とヒコホホデミ尊が祀られていたので、
二人を案内した。

さて、次の候補地に向かおうとするときに、
急に立ち寄りたくなった神社があった。

それは細石神社だ。
木花咲耶姫と磐長姫が祀られているので、探しているワダツミ系の神社ではない。


しかし伊都国の始まりを考えるのに欠かせない神社なのだ。
細石神社に手を合わせると、
その背後にある王と王妃の墓にも手を合わせることになるのである。

それが三雲南小路遺跡だ。
卑弥呼よりはるかに古い時代の遺跡になる。

そして、自分の背後には木花咲耶姫が出産したという地があり、
さらには高祖山が続く。

豊玉姫よりさらに古代、伊都国の始まりを考える時に
この神社と祭祀線を抜きには考えられなかった。





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この画像の太陽光線の位置を見ると、
直前に行った染井神社と同じ方向を向いているのが分かる。
いずれも東を向いていた。








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さて、菊如はここでも祝詞を上げていた。
それから私を呼んだ。

そして、横の楠の前で何かを受け取るようにと言った。








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言われるまま両手を差し出すと、水のような涼しく揺らぐものが降りて来た。
その形をなぞって両手の平をすぼめると、
両手の間でゆらゆらと涼しいものが揺らぐ。
パール色のきらめきだ。

上の方は開いている。
ちょうどチューリップのつぼみが開こうとするように。
外側には花びらが重なるように、重なりがあった。

白皇も観えているらしい。
「ピスタチオ」と言った。
そう来るか。飲み屋で出てくるアレだ。

「そうそう、二つに分かれてるよね」
殻を割ると緑色の種が出てくるやつ。

白皇は形を捉え、私はエネルギーの状態を捉えていたようだ。

それはクスノキの「元木」(もとぎ)だという。
「国の元」でもあるという。

あとで崋山が精査すると、
「繁栄の種」だと、イワナガヒメが教えてくれたという。
「元木の種」ともいった。
サクヤヒメはこの時、同じ糸島の桜谷の方にいたそうだ。

イワナガヒメから桜谷の「桜の木の下に置いて来てね」と言われたという。
それは私の役目だそうだ。

また、その時、崋山たちはイワナガヒメとサクヤヒメの関係を尋ねたらしい。
イワナガヒメはお世話をする侍女で、姉妹ではないという。
サクヤヒメの御伴で行かされたそうだ。

それでは富士山のコノハナサクヤヒメとは?
と尋ねると、天狗族が来て、
薄いピンクの衣を来た別人を連れていったという。


七つの珠とは全く関係のない話だったが、
預かった種は桜の花の咲いている間に桜谷に持っていかねばならなくなった。

私単独で出来ることではないし、まだこの日は3月11日で
桜には早すぎるので、日を改めて行かねばならない。

いつの間にか、共に行動する状況になった。

神計らいとは、人間の頭では計り知れないものがあった。


20180604




さて、今週末の609(土曜日)は小城で歴史カフェです。
そのテーマにこの豊玉姫が含まれています。
これまたシンクロニシティのタイミングなので驚いています。
第2部の神功皇后の話も鞍手から。「脇巫女」の舞台です。
皆さんのご参加をお待ちしています。

昨日は真鍋大覚のシリウスのレジメを完成。
とりあえず、日程を7月8日に決定して福津の会場を抑えました。
詳細は一段落して案内します。






歴史カフェ小城
6月9日(土)第3回 3時~5時
1部:佐賀の女神たち よど・とよ・とよたま姫
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◆歴史カフェ福津◆
7月8日(日)第19回 2時~4時

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六嶽神社とシリウス、 真鍋大覚の記録(完全版)
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異世界小説 

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by lunabura | 2018-06-04 21:01 | 「ウーナ」 | Comments(0)

ウーナ48 七つの珠13 染井神社にて



ウーナ48

七つの珠13 

染井神社にて
 


これで七つの珠のうち、三つを奉納することができた。
あと四つだ。

都市高速を使って糸島に出た。

まずは染井神社に向かう。
秋にバスハイクで行ったばかりで、道順も記憶に新しい。

染井神社には下宮と中宮がある。
時短を考えて菊如に尋ねた。
「染井神社は下宮と中宮があるから、どっちがいい?両方行ってもいいけど。
下宮は井戸がある所。神功皇后が鎧を染めたって言われてる。中宮はその鎧を干したところだけど」

すると菊如は「松がある?」と答えた。
「ああ、それなら中宮ね。鎧を干した松の木がある」

そう、中宮には神功皇后ゆかりの松の木があった。
それは江戸時代に枯れたが、その巨大な幹が保存されていた。

染井信号から車で山に向いながら、
バスハイクの時に赤い曼珠沙華が美しく咲いていたのを思い出した。

あれは秋だったなあ。

この道は幅が狭くバスが通れないので、下宮だけを案内したのだが、
たまたま現地で地元の人が中宮への山道があることを教えてくれた。
それは江戸時代には分からなくなったという道だった。

それを聞いた皆さんがどうしても行きたいというので、
知らない山道を探検しながら中宮に向かったのだ。
5分ほどの道のりではあったが、一度は迷った。

それをブログに書きかけていてパソコンが壊れた。
だから、そこでストップしたままだ。

そんなことを思い出しながら、
季節がすっかり変わった田んぼの間を進んだ。

すぐに鳥居の前に出た。

正面から参拝するとその深い杜のたたずまいは素晴らしく、
訪れた人が誰でも声を挙げる。
「すごい」
と。菊如もそうだった。
「ここは普通と違う」





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小さな池に小さな石橋が架かっている。








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そこから石段を上ると苔むした参道だ。
何度通っても感動する。








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正面。









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拝殿と石祠が分離していて、直接石祠に参拝できる。

そこで菊如は祝詞を上げた。
太陽が正面にあってまぶしい。

すると、菊如は太陽を指して白皇を促した。

白皇が太陽に珠を差し出すと、代わりに剣のような長い物を受け取った。


崋山によると、白皇が受け取った長い物は黄金の矢だった。

矢でも、普通のものとは形状が違う。
軸の先の矢じりは重りのような形をしていた。
また、羽根もひし形を伸ばしたような形をして薄い金で出来ていて、ハタキのように一か所から八方に広がって付いていた。
矢は全体が発光していたという。

一段落すると、菊如に豊玉姫が懸かった。
「よくぞ来てくれました」
と白皇に言った。それから私に向きなおし、
「ここまで連れてきてくださってありがとうございます」
と頭を下げた。
びっくりだった。



帰りしな「ここには龍がいる」と菊如は言った。



『神功皇后伝承を歩く』下巻63染井神社




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by lunabura | 2018-06-03 20:55 | 「ウーナ」 | Comments(0)

ウーナ29  七つの珠8 ウガヤフキアエズ



ウーナ29

七つの珠8 

ウガヤフキアエズ
 

糸島から帰った夜、菊如から電話があった。

ウガヤフキアエズが出て来たので、電話を通して話を聞いてほしいという事だった。
―― え?私が質問するの?用は無いのに?

こうして電話セッションが始まった。
ウガヤが懸かった崋山と私の一問一答だ。
ウガヤが語り始めた。
「私たちは迫害されて移動した。我が一族と共に総勢112人。6艘の船に乗って行った。
元の地は安曇の地だが、そこから船を出した。風に乗り西の方に回って着いたが、そこでは言葉が通じなかった。そこはウド。」
「鵜戸神宮?宇土半島?」
「日が落ちる地」

「どうして追われたのですか」
「この海を血で汚す者たちが現れた。白い銅の槍を持って攻め入ってくる者たち。黒髪、黒ひげの一族。目は黒。金色のひも。われらの地一帯に攻め入って来た。
戦いは好きではない。我々は海と共に生きる」

「元の場所とはどこですか」
「生まれた所から動いていない。志賀島。フキアエズ朝があった」

「志登神社には王朝がありましたか」
「志登神社の所は浮島になっていた。あとは海だった。神々が集う地だった」

「二見ケ浦の海路が閉じたり開いたりするのは?」
「海の者が発着する。朝は逆風が吹く」

「一族は沢山いたのですか」
「我らの一族は海と陸にいた」

「安曇ですか」
「われらは安曇」

「あなたの目の色は」
「青い色。今で言うヨーロッパから船に乗って来た。我ら一族にはエラ呼吸の痕がある」

「ホモサピエンスではないのですか」
「人間と交わってできた。人間と海の者の間。豊玉姫と山幸彦が契を交わして新しい種族を創った」

「あなたの御子は神武天皇ですか」
「ちがう」

「あなたの父君の名は?」
「…」

「言いたくない?」
「わが父から迫害された。我は安曇の一族と思っておった。海の人間の間に生まれた特別な力を持った者。われらは西へ西へと逃げて行った」

「どこに着いたのですか」
「穴の空いた岩が見える。ウーロー。ウーロ」

「ウーロ、今の宇土半島ですか」
「6艘で出たが、3艘が着いた。神武とは関係ない。ウォーガ。モガ」

「茂賀?熊本の?」
「…。新しい地で何がしたいか、何ができるか分からない。」

「あなたの子息は?」
「いない」


神話とは全く違う系図のようだ。状況が良く分からなかった。
メモが途切れ途切れで心もとない。




<20180327>





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4月6日(金)武内宿禰の里と豊姫、壱岐真根子の終焉地
磐井の砦 桜見! 残席あり
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4月14日(土)第1回 3時~5時 会場:小城鍋島家Ten
1部:天山神社の始まり 2部:神功皇后の伝承 豊浦宮から
申し込みは直接、小城鍋島家Ten、あるいは当ブログコチラへ
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by lunabura | 2018-03-27 23:31 | 「ウーナ」 | Comments(3)

ウーナ28 七つの珠7 ワダツミの神



ウーナ28

七つの珠7 

ワダツミの神
 


私たちは志登神社を出て二見ケ浦に向かった。
菊如と崋山は何かを受け取る所を探していた。

「ここ」
櫻井神社の海沿いの大鳥居の所で菊如が言った。

二見ケ浦の西のはずれにあった。










c0222861_20513882.jpg

右の方には二見ケ浦のカフェの明かりが見えていた。

快晴だったのに、いつのまにか雲が広がり、強烈な冷たい風が吹きつけていた。



「道がみえる」
と菊如が海を示した。そして、菊如は海の向こうから何かを受け取った。


車に戻ると、二人は霊視を始めた。
「黒色の箱だね。中は何も見えん」
「枠は光っている」
「真珠?」
「卵?」
「ウミガメの卵?七つあるね」
そんな話を二人がしていた。

いったい何が何やら。
訳が分からない私は、記録係として記録をするだけだった。


その夜、崋山から連絡があった。
二人はその後、玉手箱の中を精査したという。
その概要を教えてくれた。

玉手箱の中に亀の卵を象徴する珠が七つ入っていた。

ワダツミの神がそれをどうしたらいいか、教えてくれた。

海の向こう側から攻撃が近づいている。
空からの攻撃は見せかけで、海から船で上がってくる。
海の底から来る。

深い結界を張らねばならない。

そのために、この七つの珠を七か所、海関係の神社に行って納めて来よ。
代わりに法具を貰い、某所に納めればよい。

という内容だった。
豊玉姫の話と通じていた。



「海関係か、豊玉姫関連の神社だけど、るなさん知ってる?」
「そうね。神功皇后の本にいくつか書いてる。天神の三越前で話した時の資料にも、いくつかリストを挙げている」
たまたま、残部を持って二人に渡していたので、話は早かった。

そこでいいのかどうかは、現地に行ってみないと分からない。

こうして、私はいつのまにか「七つの珠」に関わり始めていた。




ところで、私が「ワダツミの神は男だった?女だった?」
と聞くと、崋山はポセイドンに似ていると答えた。
なるほど、男神なんだ。







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この時の海風はひどかった。
丸の中、風神?

角をはやして、左に風袋もってない?

<20180325>

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by lunabura | 2018-03-25 20:57 | 「ウーナ」 | Comments(2)

ウーナ27 七つの珠6 豊玉姫2 恋しき子



ウーナ

七つの珠6 

豊玉姫2 恋しき子
 



豊玉姫に続けて尋ねた。
「対馬にお墓がありますよね」
「対馬にずっとはいませんでした。そこに埋められてもいません。燃やされて灰になって海に流されました」


「何処で燃やされたのですか」
「島。石が沢山ある島。
役割が終わり、亡骸(なきがら)がこの地に留まることを、私は拒否しました。
私は玉依に頼みました。
燃やしてくれ。海にまいてくれと。
潮に流されて志賀島に帰れるようにと。
風に乗って。波に乗って」

石が沢山ある島といえば相島(あいのしま)だ。安曇の墓所と聞く。スマホで相島の一番大きな積石塚を見せた。


「これですか」
「そうです。そこです。
それは祭壇です。
私は石の上で燃やされました。
私たち海の者は土に埋められることは好みません。
燃やされて灰になり、天に帰るのです。
石の上。
暗い空。星しか見えぬ夜に」

暗い空というのは新月の頃のことだろうか。
海の者たちは満天の星の元で昇天していくのか。

相島の長井浜は掘っても掘っても石だけしか出ないという。
古墳が造られる前の時代からあの地は葬送に使われていたのだろうか。

相島の積石塚で一番大きな120号墳は四角い積石塚の上に石囲いの石棺がある。
そして、手前には祭壇がある。
これは崩れたものを再現したものだ。
原形はまた違ったものかもしれない。




豊玉姫が去ったあと、崋山が語った。

海の民の血を引くものたちは土の中に埋める感覚がない。
それで土に埋葬するのはいやだが、海に帰る方法として灰にしていた。

姫の心には志賀島への思いがあった。
相島の人は火葬をしていた。当時、いろんな種族が集まっていた。
相島は終わりの島。亀が死ぬところだと語った。




話を戻そう。
豊玉姫に、結婚について、私はもう一度尋ねた。豊玉姫が答えた。
「結婚のため、何度も通って夫と逢います。
安曇の婚姻は反発する者も多かったのでございます。
しかし、新しい時代、種族を増やし、それぞれの良き所を伸ばして増やしていく。
それが必要だったのです」

「糸島で暮らしたんですね。二人の住まいの跡は何処ですか」
「染井の山の麓です」

あの染井神社と染井の井戸がある所か。
意外な場所が出て来た。


豊玉姫はもう一つ大事な話をした。

天と地、海と空、八百万の神と仏教の神々、すべてが一つにならねばなりませぬ。
それぞれが別々に働く時は終わりました。

海から攻撃するものがあります。
海の力を借りて防ぐ時がきているのです。



最後に菊如が何かお願いすることがあるか、尋ねた。
すると、豊玉姫は
「わたくしの分御魂をこの子に」
と言った。
長い時を越えて転生したウガヤフキアエズを豊玉姫は守ろうとしていた。

豊玉姫は去った。



後から崋山が話した。
豊玉姫は一人っ子だった。
陸の竜宮城とは志賀島のことだ。

日本という島国に外から入ってくるものを、鬼神一族が守っていた。しかし、自然破壊で鬼神一族が日 本を守れなくなっている。鬼神とは荒魂のようなものだという。






c0222861_223734100.jpg

気が付くと、40分以上経っていた。








c0222861_22375681.jpg

もうすぐ太陽が正面に来ようとしていた。
時間の感覚がなくなっていた。







c0222861_2238133.jpg

龍が太陽の珠を抱えているようにみえた。



これを記録している今日、再び糸島に行ってきた。
半年で5回訪れた。
時系列がだんだんあやふやになっていく。
意識がずっと糸島に残っている。
変な感覚だ。

<20180324>













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by lunabura | 2018-03-24 22:41 | 「ウーナ」 | Comments(2)

ウーナ26 七つの珠5 豊玉姫 志登



ウーナ26

七つの珠5 

豊玉姫 志登
 


糸島の伊都と志摩の中間にある志登(しと)。

かつては糸島水道があったという。
そこに安曇の寄港地と天文観測所があった。

今は志登神社が鎮座している。
祭神は豊玉姫命。
相殿に和多津見神、彦火火出見尊、息長帯姫命、武内宿禰命となっている。
(豊玉姫の父、夫、神功皇后、武内宿禰)




11月11日の17時ちょうどに着いた。
冬の低い太陽が傾き始め、太陽光線が参道をまっすぐに通り、神殿を照らしていた。





c0222861_1956357.jpg

丸い輪になった光が神殿の中央より少し左に当たり、中央に移動しつつあった。
「これがサインよ」と菊如が言う。


太陽の光がまっすぐ参道を進んで神殿に到達する。
これだけでも、確かに奇跡的な瞬間だった。


c0222861_19551582.jpg





参拝を済ませて写真を撮っていると、菊如がまた「るなさん」と呼ぶ。
「豊玉姫!」
崋山に豊玉姫が懸かっていた。
光は二人を照らし出す。

男前な崋山が気品のある女性の姿を取っていた。
片手を軽く胸の前に挙げて神殿に向かってたたずんでいる。

菊如が「お久しぶりです」と姫に声を掛け、続けて「るなさん、聞きたいことはある?私は歴史の事分からないから」
といきなり振ってくる。

そんなあ。私、別に用は無いけど…。
でも、何か聞かなきゃ。
そうだ。
豊玉姫は何故、子を残して綿津見宮に戻らなくてはならなかったのか。神話の真相を聞こう。

「山幸彦と分かれた本当の意味は何ですか」
すると、豊玉姫は静かに答え始めた。
「私はあの時、二人の子を生みました。ところが、双子は縁起が悪いと言われて一人は殺されてしまいました。
わが父は腹を立てて、私を連れて帰ったのです。

「人間と海の者の間に生まれたウガヤフキアエズには、海の者の加護を」と父は玉依をおそばに付かせました。
玉依は海に帰ることを許されず、神社に入ってこの国を守っているのです。

「豊玉姫と玉依姫は姉妹ですよね」
「私は一人でございます。兄弟姉妹はいません。が、七人ほどで兄弟として育てられました。

ワダツミの力を持った者。
海とこの地をつなぐ者など。
合わせて七人、これをすべて玉依と申します。
海とこの地のつながりを保つ者たちでございます。

私は父に会いに海に戻る事もできますし、山幸彦と暮らしたことは後悔していません。物の考え方が違っているだけなのです。」




菊如が尋ねた。
「玉依に庸(よう)という名の者がいますね」
「庸もまた、ワダツミの力を持つ者と人間との間に生まれたる者。庸は乳母のようにして育ちました」

私は確認した。
「ウガヤフキアエズを育てた人ですよね」
「玉依とは、海からの言霊を聞く者」 

「玉依がウガヤフキアエズと一緒になって子供を生みましたよね」
「一緒という考えは今とは違います。この世に子孫を残す。それだけ。愛されたり愛したり、慈しんだりというわけではありません。愛より、尊敬する思いが強いのです」


菊如。
「姫はウガヤフキアエズを見守ってこられたのですか」
「私は祈る事しかできない。封印されて動けなくなったところで、あなた(菊如)に助けられました。

ウガヤの底の底に眠る龍は私が守っており、動くときには目が覚め、その力を発揮します」
そういうと、白皇を見て言った。白皇はウガヤフキアエズの転生者だという。
「わたしを恨みますか?
どう生きるか。
授かった宿命は変えられません。
ただ海には帰れない」

菊如はさらに尋ねた。
「大国主神社に何故おられたのですか」
「大国主と共にあの場所にきました。そして何者かにあの場所で封印されてしまいました。大国主の仕業ではありません。

海の門を無理に開けさせ、入ってはならぬ者を入れようとした者がいたのです。
私を封印して父に掛け合ったのです。

封印されたのは私の分御魂(わけみたま)でしたが、私の思いがあそこに残ってしまったのです」







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<20180323>


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by lunabura | 2018-03-23 19:58 | 「ウーナ」 | Comments(0)
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